久しぶりの出没。まだ書きたいやつあるよぅ。時期遅れだけど感想書こうかな。
さて、結構前に買ってたんですが先日読了しました。
ぶっちゃけジャケ買いだった 『ジョーカー・ゲーム』。グレーと黒、映える赤。カッコいいんす、装丁が。“このミス”2位だそうな。個人的には話題作に手を出すのはちょっと珍しいんですが…これで“このミス”1・2位読んじゃった。
面白かった!
予想以上に面白かったです!また開拓したい作家さん増えた!雑誌舐めちゃ駄目ですね。
柳氏は私の視野が狭いせいで今まで存じ上げなかったんですが、歴史に絡めた作品を書かれているようで、守備範囲ドつぼな気がします。
今回の話も、時代設定は第二次世界大戦頃。端的に言うとその頃の架空のスパイ養成機関の話で、連作短編集となってます。
養成機関の教官兼元優秀なスパイ、「魔王」と称される結城中佐が共通して出てくる人物ですが、各章では違った立場の人間が語り手となり、それぞれ別の事件に関わる過程で結城中佐とも関わっていきます。
どの人物も情熱的であったり冷静であったりととても魅力的なのですが、何といっても結城中佐です。彼の凄まじいまでの冷たさ、鋭さ、残酷なほどに完璧な所作。一切の無駄を排除したような、ある種非人間的な彼の言動には終始圧倒されていました。
物語も隙がない。息つく暇がないとはこのことで、緊張が解ける瞬間がほとんどありません。しかしこの緊迫感がいい。全くどうすればこんなに鋭利なストーリーが書けるのか、溜息しか出ませんでした。
ただ、ラスト1ページ。
これが結城中佐の本質なのかもしれない、と思い、感動しました。
個人的に、佐久間さんがほとんど唯一人間的で好きなので、もっと彼の話が読みたいと思いました。少なくとも、生き残っていてほしいなと。
これシリーズ化とかしないのかしら…。結城中佐がほんとカッコ良すぎます。ラストにやられてしまったのでもう大好きです。
柳氏の他の作品も読みます。探さねば!
とにかく、久々の読書で当たりのミステリで、本当に幸せでした。
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